子ども(小児)と成人の免疫応答には違いがある

元気な子ども(小児)と成人のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)患者、および健常対照者より採取した臨床検体に対して解析を実施した結果、子どもと成人での「免疫応答の違い」から、一般的に小児が重症化しにくいとされる理由が明らかにされたとの見解が発表されました。
※この研究成果は、慈恵医大 呼吸器内科の吉田昌弘助教(英・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)研究員)、UCLのマルコ・ニコリッチ博士、ウェルカムサンガーインスティテュート(WSI)のケルスティン・マイヤー博士らの国際共同研究チームによるものとのことですが、英科学誌「Nature」へも掲載されました。
子ども(小児)の新型コロナの臨床症状は、一般的に成人と比較して軽度であることが知られています。
しかし、子ども(小児)と成人で異なる臨床経過を呈する分子的背景は十分に解明されていませんでした。
これらの「免疫応答の違い」などを明らかにすることで、重症化しやすい患者の同定や、新たな治療ターゲットの発見に向けた手がかりが得られるのではないかと期待されていました。
そこで研究チームは今回、UCLの関連病院に入院した、無症状から重症例までの新型コロナ患者を対象として、鼻腔ブラシ、気管支ブラシ、血液検体を採取し、シングルセル・マルチオミクス解析というものを実施。
子ども(小児)の新型コロナ患者19例および成人新型コロナ患者18例、ならびに健常対照者として41例の子ども・成人の検体解析として、計65万9217個の細胞について詳細な分析を行い、気道では59種類の細胞、血液中には34種類の細胞種を同定。それを持って個々の細胞のRNA発現、タンパク質の発現など解析が行われたところ、以下の3点が主な理由として判明。
●子ども(小児)の免疫系は、成人が「獲得免疫」が優位なのに対し「自然免疫」が優位
●健康な子ども(小児)の気道は、インターフェロンは活性化状態にあり、感染後、速やかにウイルスの増殖を制限できる
●子ども(小児)の新型コロナ感染では、血液中の細胞傷害性免疫細胞の反応が成人に比して軽度である
また、健康な子ども(小児)の気道においては、免疫細胞がすでにインターフェロンにより活性化されており、感染早期にさらに高度に活性化されることが確認されました。このことが「鼻腔や口腔などの初期感染巣でウイルスの増殖を早期に制限するのに役立つ」と考えられるとしています。
その一方で、成人の気道では「自然免疫の立ち上がりが遅い」ため、ウイルスが体内の他の部位に拡散しやすく、感染の制御が困難となりやすいことが確認されています。さらに、成人の血液中には、ウイルスに感染した自己の細胞を除去する機能を有する様々な種類の「細胞障害性免疫細胞」が高度に働くことも解りましたが、この「細胞障害性免疫細胞」が長期間活性化状態になると、臓器障害が引き起こされる(心筋症や多臓器不全など)ことも確認されました。ちなみに、子ども(小児)の新型コロナ感染患者では、血液中の「細胞傷害性免疫細胞の反応は成人と比べて軽度」であることが確認されています。
※インターフェロンの働きも自然免疫の一つ。
※予防のためにも、養生のためにも、鼻腔や口腔を衛生的に保つことは欠かせません。
「自然免疫」は「非特異的」な働きを持ち、「獲得免疫」は「特異的」な働きを持つ
ここで「自然免疫」の「非特異的」と「獲得免疫」の「特異的」について再確認。
「自然免疫」において「非特異的」という言葉の意味は、人体にとって異物である限り、その「異物の違いを区別せずに非自己とみなしたものはすべて排除したり殺してしまう働き」です。人間が生まれた時にすでに備わっている自然な免疫を「自然免疫」といい、この自然免疫の一つが補体でもあります。
「獲得免疫」において「特異的」という言葉の意味は、「他のものと異なっている性質がある」ということであり、「他の敵と異なった敵を見いだすことができる」というものです。「獲得免疫」が持っている「特異的」とは、まさに異物の中から一つを選び出す能力です。一つの異物だけを選び出すという高等な働きを持っているので、高等免疫といったり、状況に応じて必要な敵を選び出す働きがあるので、適応免疫といったりもします。「抗体」はその代表的なものです。
人間が生まれた時にすでに備わっているのが「自然免疫」、人間が生まれた時には持っていなくて後に獲得していくのが「獲得免疫」
よって、赤ちゃんが生まれた時はこの獲得免疫は持っていません。赤ちゃんが自分で作り始めるのは、生後6ヶ月くらいからとされています。
自然免疫で大切なのは、好中球・大食細胞(マクロファージ)・NK細胞と補体
補体(Complement)は、生体が病原体を排除する際に抗体および貪食細胞(好中球や大食細胞)を助けたりする、「自然免疫」に属するタンパク質です。「補体」の主だった働きは次の通りです。
①抗原のオプソニン化(抗原に対して補体を付けて認識しやすくし貪食作用を促進)。
オプソニン化とはドイツ語で「味付け」という意味です。病原菌に補体が結合すると(味付け)、補体レセプターを持つ食細胞が認識しやすくなり、貪食作用が促進されていきます。
②膜侵襲複合体(MAC)による細菌の破壊。
補体は膜侵襲複合体(MAC)になり、細菌やウイルスや寄生虫などの細胞膜に付き、孔(あな)を開け、細胞外の物質が細胞内に流入して破裂・融解していきます。
③マクロファージや好中球、そしてNK細胞に対する走化性を高める。
病原菌に感染した部位に好中球や大食細胞(マクロファージ)を呼び寄せる作用を走化性といいます。食細胞は3種類、一つめが好中球、2つめが大食細胞(マクロファージ・単球など)、3つめが樹状細胞です。
④ヒスタミンを放出、アレルギー症状(アナフィラキシー)を起こすこともある。
ヒスタミンは血管を拡張させ血管の透過性を亢進させます。するとアレルギー症状が出やすくなります。血圧低下が起こってアナフィラキシーショックを生じさせることもあるので、活性化と寛容性のバランスを保つことが重要です。
⑤ウイルス・細菌などの毒素の中和作用。
ウイルスに対して外膜を壊して感染力を失わせたり、細菌の毒力を奪ったりします。
補体と抗体が合体して働きますが、特異的なウイルスや毒物の活性を中和して、無力化することができます。
⑥キラーT 細胞や NK 細胞による、抗体依存性細胞障害作用(ADCC / Antibody Dependent Cellular Cytotoxicity)を増強。
抗体と結合した細胞とキラーT 細胞やNK細胞との親和性を増強しますが、元来、キラーT 細胞や NK 細胞には ADCC 作用があります。これについても、活性化と寛容性のバランスが重要です。
⑦抗原抗体複合体可溶化、抗原抗体複合体の血中からの除去。
抗原と抗体との再結合を阻止します。
これによって抗原抗体複合物は小分子となり、可溶性物質となり、抗原抗体複合体が除去されます。赤血球に抗原抗体複合体を脾臓まで運ばせ、そこでマクロファージに処理させます。
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