注目されるファクターX、交差免疫と訓練免疫

新型コロナウイルス変異種が日本でも確認され、新型コロナウイルスのパンデミックは新たな局面をむかえています。2020年の夏あたりにはラニーニャ現象が確認されていましたが、その時すでに、冬は寒く乾燥し、大雪も降るだろうと予測されていました。ウイルスは寒さや乾燥の中では生存しやすく、基本的に感染力も増します。

2021年1月7日緊急事態宣言が再び発令されました。ここ最近、私たちはどちらかというとネガティブな情報を毎日多く見聞きしていますが、基礎知識が乏しい中で、偏りがちな情報に振り回されると、知らず知らずのうちに、恐怖感や不安感に支配されてしまう方が多くなるように思われます。数日前のことですが、「どけっ」と大声で若い女性を怒鳴るお爺さんを見かけました。今は有事といえる状況ではありますが、「心のゆとり」、大切にしたいものです。

ここに至って自粛がさらに求められていますが、何となく、大慌てといった感じがします。前に述べたように、今の状況は昨年の夏あたりにすでに予測できていたこと、「対策や準備」をもう少し早めに、皆が一丸となってできなかったものか...、そうすれば医療機関の緊迫した状況は今よりも軽減していたのではないか…、そんなことをつい考えてしまいます。

新型コロナウイルスは未だ明確になっていないことが多いので気は抜けませんが、しかしこのような状況下であっても、日本と欧米等では被害状況に大きな差があります。緊迫した状況が波のように繰り返されていますが、とはいえ、日本ではロックダウンのような「国家レベルの強い対策」はこれまでは打たれていません。2020年2・3月あたりで、すでに、かなりの数の感染があったのではなかといわれていますが、あの頃は欧米に比べて1カ月近くも中国からの入国制限が遅れ、PCR検査についてもなかなか整わず、実態が見えないままに時が過ぎて行きました。あの頃、もしもPCR検査を皆が受けていたら、実際は大変な感染者数だったかもしれません。そんな状況であっても、感染者数が増えている現状でも、日本は欧米と比較すれば奇跡のような状況が推移している実際があります。

日本人の健康水準の高さとか、国民性や習慣性が違うのではないか…、日本や東アジアの人たちはネアンデルタール人の遺伝子の影響が少ないからではないか...、様々その要因については推測されていますが、それらは「ファクターX」と呼ばれて、注目を集めています。
ファクターXとして注目されている「交差免疫」
日本では過去にも別種のコロナウイルスに感染した経験のある人が多く、新型コロナウイルスに対して「獲得免疫」が機能したのではないかという説があります。 
獲得免疫
一度感染症にかかった生体が、その感染症に抵抗性を獲得した状態。または、免疫療法により同様の抵抗性を獲得した状態をいいます。
同類の近いウイルスで得た「獲得免疫」が機能することを、「交差免疫」といいますが、近年確認されているコロナウイルスは7種類あります。これらはすべて同類のコロナウイルスです。

●4種類の鼻風邪ウイルス・・・ヒトコロナウイルス229E/ヒトコロナウイルスOC43/ヒトコロナウイルスNL63/ヒトコロナウイルスHKU1
●SARS(重症急性呼吸器症候群)・・・2002年に中国で発生
●MERS(中東呼吸器症候群)・・・2012年にアラビア半島で発生
●COVID-19(新型コロナウイルス)

4種の鼻風邪コロナウイルスは、基本的にほとんど上気道(鼻・口・咽頭)に軽い風邪の症状を起こすだけ。日本の風邪の中ではライノウイルスに次いで2番目に感染が多く、極ありふれた鼻風邪のウイルスでもあります。日本人の多くの方が感染を経験されているのではないかと推測されています。後の3種類(SARS、MARS、COVID-19)は下気道(気管・気管支・肺)に感染し、肺炎などの重篤な症状をもたらすコロナウイルスです。
鼻風邪のウイルス、SARS、MERS、COVID-19(新型コロナウイルス)、これらは同類のコロナウイルスであるため、遺伝子の構造はかなり似通っています。そのため別のコロナウイルスの情報を記憶した「メモリーT細胞」や「メモリーB細胞」などが、新型コロナウイルスに共通する目印を見つけ働いているのではないか...との見方があります。
メモリーT細胞
キラーT細胞の一部、以前体内に侵入した事のある同じ敵が再び現れた時に攻撃をしかけるよう備えています。同種であれば、変異したウイルスであっても、二度目の感染をした際には、以前より効率よく反応をすることが出来るようになるとされています。
メモリーB細胞
一度目の免疫反応で抗原を記憶すると、二度目の感染の際は細菌・ウイルスの侵入の時に素早く反応して、中和抗体なども生産しやすくなるとされています。
アメリカでは新型コロナウイルスの症状がない健康な人の4割から6割が、新型コロナウイルスに反応するT細胞を持っていたことが分かっているそうです。SARSは中国で発生してアジアに広がり、MERSも中東から発生して中国にも広がったように、コロナウイルスの中心地はアジアといえる要素がつよいといわれています。そのためアジアでは欧米以上に、「交差免疫による新型コロナウイルスにも反応するT細胞等を持つ人の割合が高い可能性がある」との説があります。
もう一つのファクターXとして注目されているのがBCGワクチンによる「訓練免疫」
新型コロナウイルスによる甚大な被害を受けているアメリカやイタリアでは、BCGワクチン接種を義務づけていません。欧州の多くの国でも1970年代以降はBCGワクチンの接種を中止しているそうです。118カ国のBCG接種状況と新型コロナウイルスの被害状況との関連性を調べた研究によれば、感染者数の増加速度で約1.7倍、死亡者数の増加速度で約2.4倍の差が生じているとの報告があります。
BCGワクチンが新型コロナウイルスを抑えるメカニズムは、現在のところ明確になっていません。
しかし、BCGが免疫力を強化していると考えられ、特に乳幼児では結核以外の病気に対しても抵抗力が高まり、死亡率を半減していることが知られています。高齢者においては、呼吸器への感染を減少させる効果があることも認識されています。
それらのことから、BCGワクチンによって「免疫系が訓練されて活性化しやすい状態になっている」のではないか...と考えられています。
訓練免疫
これまで「免疫の記憶」は獲得免疫にしか起こらないと考えられてきましたが、自然免疫でも長期間の「免疫の記憶」が成立することが最近分かってきました。最新の免疫学では、これらは「訓練免疫」と呼ばれています。
BCGワクチンは子どもの結核予防で接種するワクチンですが、日本では1949年から接種が法制化され、昔は乳幼児、小学生、中学生の計3回接種が行われていました。(現在では乳児期に1回接種するように変わっています)BCGワクチンによる新型コロナウイルスの感染・重症化の抑制には様々な考え方がありますが、しかし、実際に接種を行っている国では感染者数・死亡者数ともに驚くほど抑えられているとのことです。例えば、スペインとポルトガル。2国は同じイベリア半島にあり、人の行き来も多く人種や食文化も似ています。しかし、BCG接種国であるポルトガルの感染者数・死亡者数はスペインより低く、ポルトガルの人口100万人あたりの死亡者数(2020年10月1日時点)は192人、スペインは687人、これはちょっと驚くデータでもあります。
どんな感染症であっても、しっかり治癒させることが大切です。抵抗力を持つ「交差免疫」はその中で備わっていきます。
自然免疫はすべての人が持っています。
しっかり保持していれば、すべての感染症のリスクは当然軽減します。そして、感染症などにうち勝った免疫の記憶は、「訓練免疫」として構築されていきます。
手洗い、マスク着用、三密を避ける、その他、みんな頑張っています。
2021年1月現在では、心配されていたインフルエンザは抑えられています。
また、高齢化やコロナ禍にも関わらず、2020年1~10月の日本の総死亡者数は前年度と比べ、約14,000人減少しています。
一息つくことも大切です。
しっかり休んで、睡眠をとって、適度な運動を心がけましょう。
心穏やかに、生きがい・やりがいを大切にして、楽しむことも忘れずに。
自分に必要な栄養分を十分に摂取するなど、日頃から免疫力を保持することに努めましょう。
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